看護師を目指したきっかけは、看護師として働く両親の姿を小さい頃から見ていて、とてもやりがいのある仕事だと思ったからです。現在は、29の診療科を持つ総合病院で、消化器内科を担当しています。消化器内科は、在学中の実習経験もなく、初めての診療科で、検査や対象疾患の種類も多く、はじめは大変でした。今は、検温や点滴、内科的手術の前処置、また検査後の処置など、消化器内科での様々な処置を行っています。
看護師になって大きなやりがいだと感じるのは、一つ一つ意味が違う患者様からの「ありがとう」をいただけることです。それは、入院中は「よくなったよ、ありがとう」、退院のときは「お世話になりました」と言っていただいたり、患者様のご家族から感謝の言葉をいただいたり、本当に一人一人から違う意味の「ありがとう」を言っていただきます。そして、元気になって退院されていく患者様を見ると、この仕事をやっていてよかったなと思います。
現在の医療が高度化、細分化されていく中で、将来は、自分が極めたいと思った分野を勉強して、その分野の専門看護師になりたいと思っています。
看護師は、病院では入院患者の日常生活の世話や症状の観察・報告、診療の補助などを行います。病院などでは交代制をとっていることが多く、担当者同士が患者様の状況を正しく把握できるように、容態の変化などを分かりやすく記録した書類を作成したり、一人ひとりの治療方針にあった看護計画を立てたりすることも重要な仕事です。社会福祉施設などでは、患者様の検温や血圧測定、食事や入浴前後の健康状態のチェックなど、身体機能面を中心とした、精神面・衛生面での健康管理が主な仕事になります。
今、全国的に看護師が不足しています。それは医療の高度化、高齢者の増加に伴う看護師の需要が高まっているからです。また、看護師の働く場も病院だけでなく、訪問看護ステーション、保育園、企業の健康管理室、看護サービス事業所、介護保健施設、福祉施設と拡がってきており、待遇も悪くありません。今後ますます必要とされる、男女問わず一生涯続けられる職業です。
また看護師の資格をとった後も、保健師・助産師をはじめ、大学院や看護教員など、さまざまな医療系資格にチャレンジしたり、専門看護師や認定看護師を目指すなど、継続的にステップアップしていくことができます。
高等学校卒業後、看護専門学校、看護専門大学校、看護大学などに進学しなければなりません。そこで看護師として必要な基礎分野(「科学的思考の基盤」、「人間と人間生活の理解」)、専門基礎分野(「人体の構造と機能」、「疾病の成り立ちと回復の促進」、「社会保障制度と生活者と健康」)、専門分野I(基礎看護学)、専門分野II(成人・老年・小児・母性・精神看護学)、統合分野(在宅看護論、看護の統合と実践)を学びます。専門分野と統合分野では講義とともに看護学生として、病院、訪問看護ステーション、福祉施設等へ臨地実習にいきます。それらを習得した後、国家試験を受けます。合格すれば看護師として国家資格が得られます。
医療の専門知識と技術はもちろんですが、医療の仕事は一刻を争うことも多く、冷静な判断と的確に行動する行動力が必要とされます。また、交代制の仕事が多いことから、勤務を続けられる気力・体力も必要です。
患者様は体も心も弱っていることが多いため、そんな状況の患者様を励まし、元気づける優しい人間性、思いやりが求められます。また、日進月歩で進歩する医学に対応していく向上心、探究心も求められます。