福祉のお仕事 精神保健福祉士

精神保健福祉士
医療法人敬愛会 久米病院 勤務
河原医療福祉専門学校 社会福祉科 精神保健福祉士コース 平成18年度卒業
永井 綾さん(西条高校出身)

その人らしい生活が送れるために少しでも役に立ちたい。その思いが今につながっています。

 今の職業を意識したのは、河原医療福祉専門学校3年生の時に精神科の実習に行き、そこで入院をされている方のお話を聞いたことがきっかけです。その方は若い時からずっと入院をされており、どんな思いで何十年もこの病院にいたのだろう。。。と思うと、何とかしてこの方に自分らしい生活を送ってほしいと強く思い、その為に何の力にもなれないかもしれないけれど、少しでも役に立ちたいと思い、精神保健福祉士になろうと思ったのです。

 精神保健福祉士の仕事は、入院・外来患者様の相談業務や、入院患者様の退院支援、家族の方や作業所との連携や調整、行政上の手続きなど、さまざまです。何よりも、当事者の方の話をきちんと聞くことが大切になるので、常に心がけています。

 当事者の方がその人らしい生活ができるように、一緒に考えていく中で、一緒に喜べたり、悩んだりすること、そしてその方が元気に生活されている姿を見たときがこの仕事のやりがいです。今後の目標として、私が関わっている方が退院して自分らしい生活ができるようになり、本当に困った時にフッと「そういや永井がいたな。相談してみようか」と思い出してもらえるような存在になりたいと思っています。

どんな仕事?

 子どもから高齢者まで、人が生きていく中で、ストレスは、誰にとっても身近な問題です。しかし、そのような身近な問題で心が疲れてしまった時、相談できる場所や人は身近ではないのが、残念ながら日本の現状です。全ての年代における心の問題(不登校・摂食障害・DV・依存症・認知症など)から生きにくさを感じている人々に、生活の支援者として関わっていくのが、精神保健福祉士の仕事です。だからこそ、面接技術を初めとして、コーディネーション能力など高い専門性が必要とされます。

現状と将来性

 活躍の場は多岐にわたって幅広く、精神障がいを持つ方たちに対して、精神科病院の相談室や、地域の心療内科、障がい福祉サービス事業所などにおいて、医療相談や生活相談支援・就労支援などを行っています。今後は、こころの時代と言われるなかで、精神に障がいのある方だけに限らず、国民のメンタルヘルス課題に応える専門職としての活躍が、ますます期待されています。河原医療福祉専門学校では、毎年、精神保健福祉士を目指す学生数よりも病院や施設からの求人数が上回る状況が続いています。

なるためには?

 精神保健福祉士国家資格を取得するには、福祉系の四年制大学や短大、専門学校において、厚生労働大臣が指定したカリキュラム(精神障害者の生活支援システム、精神疾患とその治療、精神保健福祉の理論と相談援助の展開など、15科目)を履修し、卒業する短大や専門学校により、1年もしくは2年間の実務経験(実際に現場で働くこと)が必要になります。その上で、精神保健福祉士国家試験の受験資格が与えられ、国家試験を受け、合格し、登録をすることで精神保健福祉士になることができます。

※社会福祉士の資格取得者は社会保障など10教科が受験免除となります。

精神保健福祉士 サクセスナビ

なるためのポイント・求められる能力

● ホットなハートとクールなヘット

 平成10年に、精神保健福祉士の国家資格が、社会福祉士とは別に作られたのは、メンタルヘルスがわが国の緊急の課題だからです。福祉専門職には、ホットなハートとクールなヘッドの両方が必要と言われます。この二つは、精神保健福祉士にも当然求められる能力となります。

● 医療と福祉にまたがる知識と技術

 精神障がい者からの相談内容は、医療に関わるものと福祉に関わるものの両方があります。だからこそ、精神障がい者とその御家族の相談を受け、豊かな生活を送れるよう支援する精神保健福祉士には、医療と福祉にまたがる知識と技術を身につけることが必要になります。

こんな方に適した職業です

  • 人が好き
  • 人に関心がある
  • 相手のことを一生懸命考えられる
  • フットワークが良い
  • 笑顔が素敵

関連する資格

  • 精神保健福祉士(国家資格)
  • 社会福祉士(国家資格)
  • 社会福祉主事任用資格
  • ケアマネジメント従事者
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)

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