医療のお仕事 理学療法士

理学療法士
社会医療法人真泉会 今治第一病院 勤務
河原医療大学校 理学療法学科 平成22年度卒業
山野本 佳祐さん(宇和島東高校出身)

“昨日と何かが違う”“先週と何か変わっている”といった、患者様の「少しの変化」に気づけるように心がけています。

 高校時代、野球部の部活動中に怪我をしてしまい、そのときコンディショニング・トレーニング指導をされていたコーチに診ていただきました。後々、その方が理学療法士の先生で、近くの病院に勤務されていることを知り、もともとスポーツ分野に携わる仕事をしたいと思っていたので、迷わず理学療法士になりたい、と思いました。

 現在、骨折などの整形外科疾患、呼吸器・循環器疾患、内部疾患の患者様の、リハビリテーションを担当しています。担当の患者様が歩けない、立てないなどの原因を追求し治療していく過程で、治療内容の変更や、さらに歩行補助具の選択、自宅改修の検討なども行います。患者様を診ていく中で、昨日と何かが違う、先週と何か変わっている、といった「少しの変化」に気づけるように心がけています。そんな中、患者様の機能が回復していく過程を、すぐそばで体感できることが、理学療法士としてのやりがいです。

 今はまだ上司や先輩に迷惑をかけることが多いですが、まずは院内でより多くの仕事を任せてもらえるようになり、知識や技術だけでなく、仕事を通して人間的に成長していきたいと思っています。そして、少しでも自分の仕事の幅を広げて、院内外を問わず、地域においても活躍できる理学療法士になりたいと思います。

どんな仕事?

 理学療法士とは、リハビリテーション医療の中で重要な要素である理学療法を行う、高度な知識と技術を持った専門家です。心身に障害のある方の麻痺・関節の動き・痛みなどの状態を綿密に検査し、適切な治療方法・目標を設定して治療を進めます。具体的な治療法には、基本動作能力(座る・立つ・歩く)や麻痺などの回復及び障害の悪化予防のための運動療法、日常生活動作訓練、物理療法などがあります。さらに障害が残ってしまった方に対し、社会生活を送るため住宅改造・環境調整も行います。また、最近では介護予防にも積極的に取り組んでいます。

現状と将来性

 従来の病院内訓練室でのリハビリ治療から、介護保険制度の導入を期に、在宅や地域におけるリハビリが重要視されるようになり、病院、施設、通所センター、行政の予防事業でのリハビリ指導など、理学療法士の活動の場がさらに広がっています。また、医学的知識を活かした福祉機器メーカーでの機器開発や、スポーツトレーナー等、幅広い分野での活躍もあり、今後ますます期待される職業です。

なるためには?

 理学療法士養成校と呼ばれる学校(専門学校・大学など)を卒業すると、国家試験受験資格が得られ、厚生労働省が行う試験に合格し、理学療法士免許を取得します。養成校への入学資格は、高等学校卒業(見込みを含む)、高等学校卒業程度認定試験合格者等です。各学校でカリキュラムの特徴がありますが、3年制と比べ4年制では、講義時間数が多くしっかり学べる、関連知識や技術の修得が可能、国家試験対策の時間が多く取れるなどの利点があります。

理学療法士 サクセスナビ

なるためのポイント・求められる能力

● 患者様に寄り添う気持ちが必要

 理学療法士に何より求められるのは、心身に障害を負ってしまった方の役に立ちたい、援助したいと思う気持ちです。体に障害を持つと心に痛手を受けることも多いものです。そのような患者様の心のケアまで行うことができる思いやり、人間性が必要です。

● 根気強く患者様と向き合う姿勢

 医療·福祉の現場で活躍する理学療法士ですが、治療には時間がかかることも多く、多面的なリハビリテーションが必要な場合もあります。そのような時でも、患者様を支え、根気強く患者様と向き合っていく姿勢も必要になります。

こんな方に適した職業です

  • 人の役にたつ仕事をしたいと思っている
  • 人体の不思議に関心がある
  • 医療 · 福祉現場で活躍したい
  • 安定した職業に就きたい

関連する資格

  • 理学療法士(国家資格)