今の仕事を初めて意識したのは、小学校6年生の時でした。祖父が大工で、「職人ってカッコいいな」と思い、建築に興味を持ちました。それから、建築を勉強するうちに建築士という職業を知り、いつの間にか建築士を目指していました。
建築士という職業は、とても幅が広く、設計だけをやっている人もいれば、現場管理だけをやっている人もいます。そして、設計の中でも主に「基本設計」といって、デザインや間取りを考える設計と、「実施設計」といって、基本設計されたものを法律上の確認などをして、実際に工事ができる図面を作る設計の二つに分かれます。僕がやっているのは、「実施設計」から現場管理までです。物理的には建築可能でも、法律や条例によって家を建てることができない場合もあるので、このチェックがとても重要になります。
建築士をしていて一番のやりがいは、家が完成すればお客さんと友達のように仲良くなれることでしょうか。「別荘だと思っていつでも遊びに来てね」と言われたときは、うれしくて泣きそうになりましたね。
建築はとても奥が深いので、現状に満足することなく、常に好奇心を持ってこれからも行動したいと思っています。そして、「あの人に任せたら大丈夫」と多くの人に言ってもらえるようになることが、目標です。
学校や病院、劇場、デパート、ビルなど、さまざまな建物を、その用途に応じて、設計図をつくり、その設計図をもとに、建築現場で実際の作業員を指揮・監督するのが、建築士です。建築士は、一般的に、建設会社の設計部門や設計事務所などで働いています。建築士の仕事は、建築物の設計図面を引く設計と、建築現場での作業員の指揮・監督する施工に分かれます。
建築士は、まず、建築設計の依頼を受けると、その規模や用途、予算などの条件に従って、基本設計し、設計平面図や模型などをつくり、完成後の建物の姿を明らかにします。
次に、インテリアや材質といった、細かい部分を決める実施設計をします。平面図、立面図、断面図など、実際に建築するために、構造や設備の設計をして、必要な設計図を作成し、工事費用を割り出します。決められた予算内で、いかに依頼主の要望に合った建物にできるか、最も知識・技術が求められます。
建築士は、建築が始まると、建築現場で、工事監理をします。工事が設計図面通り進められているか、品質管理は適切に行われているかなど、建築中の現場に足を運び、作業員の工事を指揮・監督します。依頼主の要望をもとに、用途に応じた機能性の高い建物を設計し、よりよい生活環境を作り出す仕事です。
各地で行われている都市開発プロジェクトから、新たな美術館や個人の住宅まで、あらゆる建築物を作り上げていくのが建築士の仕事です。
従来の実用性が重視された建築物から、最近では、建築士のオリジナリティあふれる一つの作品として、その地位が確立されてきています。また、デザイン性だけでなく機能性や環境との調和も求められるようになり、今後も建築士の様々なアイデアや発想が、社会生活には不可欠になるでしょう。
規模の大きな建築物を設計・管理するには、建築士の資格が必要です。建築士になるには、建築士の国家試験に合格しなければなりません。国家資格は、建物の用途や規模、構造に応じて、一級、二級、木造の三種類に分かれます。受験には所定の実務経験、または認可校の卒業資格が必要で、試験は学科試験と設計製図試験があります。
建築士になるには、建築士の国家資格に合格しなければなりません。受験をするためには受験資格が必要で、この受験資格を得るには、大学・短期大学・専門学校・高等学校等を卒業後に、一定期間の実務経験が必要となります。(実務経験不要の認可校は除く)
建物の設計から施工まで一貫して行う建築士は、依頼主と相談しゼロから物を作り上げていくので、発想力が重要になってきます。そして最後に形にする力が必要です。依頼主や建築現場のスタッフ等、たくさんの方と関わりあいながら仕事を勧めていくので、コミュニケーション能力も必要とされます。