現在、東京のゲームソフト制作会社で、モバイル用のグラフィックを制作しています。モバイル用のアバター(ゲームに登場する自分の分身となるキャラクター)や、アバター用のアイテムのグラフィックが担当です。作成する時に心掛けている事は、この絵でユーザーはお金をだして買ってくれるのか、ユーザーにちゃんと楽しんでプレイしてもらえるのかということです。クリエイターとして、“ユーザー目線”を常に忘れないように心掛けています。
あるゲームを制作中に、そのゲームの企画者とグラフィックのデザインの方向性が違い、自分が考えたグラフィックがすべてやり直しになった時は大変でした。ですが、そういうすり合わせの中で、ベストの物が仕上がり、それが商品化され、店に並んでいるのを見ると嬉しいですね。初めて作ったゲームが、ゲーム雑誌に載った時は嬉しくて、家族や友人に自慢していました。
河原デザイン・アート専門学校での学校生活は、たった2年間でしたが、大切な友人や尊敬できる先生に出会えた事が良かったと思います。これからも在学中に学んだことを生かし、自分が制作に携わったゲームで楽しんでプレイしてもらえるよう、頑張りたいと思います。
世界の中でも大きなシェアを誇る日本のゲームソフトは、新商品が次々に作られます。そのソフトを作っているのが、ゲームクリエイターと呼ばれる人々です。ゲームクリエイターは、企画担当と開発担当の2つのグループに分けられます。
仕事は、まず、プロデューサーやディレクターなど企画担当者による企画会議から始まります。それぞれ抜群の発想力を持ったメンバーが、アイデアを持ち寄り、徹底した討論が何日も続き、ストーリーやアイデアが練り上げられます。面白い筋や設定が生まれるまでに、一年以上かかることも珍しくありません。企画が決定すると、次は開発担当グループの出番です。グラフィックデザイナーがキャラクターや背景などのデザインを考えます。また、プログラマーが、キャラクターの動きなどをコンピュータ言語という信号に置き換えます。そして、サウンドクリエイターが音楽や効果音の制作にとりかかります。こうした作業成果のデータは、プログラマーを中心に、少しずつまとめられ、一本のゲームソフトに育っていきます。モノによっては、完成までに、2年以上も試行錯誤を重ねることがあります。この間、企画担当者は、スタッフの気持ちを一つにまとめつつ、一方では、膨大な予算の管理や、販売・宣伝計画など様々な仕事をこなさなければなりません。
ゲームセンターなどの業務用、パソコンで使われるもの、さらに家庭用ゲーム機用まで、今日では様々な種類のゲームが人々を楽しませています。ゲームクリエイターは、ゲーム作りを通して人々に新しい時代のエンターテイメントを提供する仕事といえます。
今日、ゲーム機やパソコンの高性能化とともに、ゲーム自体もさらに高度なエンターテイメントへと発達してきています。わが国にとっては新しい輸出製品としても注目されており、マーケットは世界に広がっています。日本を代表する産業として、今後もその発展が大いに期待されている分野です。
ゲームクリエイターになるには、ゲームソフトを制作している会社に採用されて、仕事に就くのが一般的です。こうした会社では、専門学校、大学卒業者が多く働いています。
一方、自作のソフトをコンテストや、ゲーム会社に売り込んだりして、ゲームクリエーターになる人もいます。開発担当者を目指す人には、デザイン能力、プログラミング能力、音楽的能力等が求められます。
もっとも大切な適性は、ゲームが好きという事です。そのうえで、これまでにない新しいゲームを作りだすためには、新しいものや面白いものを常にキャッチし反応できる幅広い好奇心が必要です。特に免許や資格は必要ありません。
ゲームクリエイターには、感性と専門的な知識・技術が必要です。プロデューサーなど企画担当者には、多くの領域にわたる幅広い知識が求められます。開発担当者では、デザイナーならデザイン能力、プログラマーならプログラミング能力、といった専門能力が求められます。